さて、ケアンズの生活に少しずつ慣れてきたころ、そろそろ、少し遠出の探検心が出てきました。
この日は、アボリジニーの文化を体験できる、ジャプカイ・カルチャー・パークへ遠出(?)することにしました。
予約は、直接、ジャプカイ・カルチャー・パークの公式サイトからしました。
もちろん、現地のツアー会社が運営するオプショナルツアーに申し込むこともできます。この場合、日本円でのお支払いとなります。
で、どっちがいいのかな?というところが気になると思います。
当時、私は、ジャプカイ・カルチャー・パークの公式サイトと、現地のツアー会社の値段とを比較してチェックしましたが、直接の公式サイトで申し込めば、一人分の料金設定の他、家族セットの料金があるのと、オーストラリアドルでの支払いでしたが、計算した結果、直接の公式サイトのほうがお得だった、という結論で、私の場合、直接ジャプカイ・カルチャー・パークの公式サイトで予約しました。また、このパーク、ちゃんと、ケアンズの市内のホテルまでの送迎付きで値段設定しているんですよね。アトラクション・パーク自身が、ツアー会社のような送迎サービスを提供しているのがすごい、と思います。私たちのように、名の知れたホテルではなく、一般の家(バケーションレンタル)にいましたが、ここでも送迎してくれるか聞いてみたところ、もちろんOK!ということで、家まで送迎してくれました。正確に言えば、家の場所がよくわからんのか、出発の時は、家の前の大きな通り沿いの目印となるモーテルみたいな宿泊先でピックアップしてくれ、帰りは、私たちの説明で、家の前で下ろしてくれました。無事、いけました。
2011年当時は、英語のサイトしかなかったようですが、現在は、日本語でも予約できるようです。簡単になってきましたね。
申し込んだのは、夜のディナーショーと星空のツアーでした。運がよく、天気は快晴で、雲一つなかったです。
到着すると、何やら怪しげな音楽が鳴り、(ここで末の娘が怖がった…)、興奮が高まったところ、でたぁ!と、オバケが。ここで、二人の子どもが泣きました!
その後、ダンスあり、キャンプファイヤーあり、とおもしろかったです。
今でも記憶に残っているのは、キャンプファイヤーが終わり、火が消えた後、暗闇から見る星空の美しさ! うちの子どもたちは、満点の星を見たことがまったくなく、こんなに空に星があったのか、という驚きで、ずっと、静かに空を見上げていました。
夏の大三角形も見ることができたし。
南十字星も見つけました。
そして、みんな、初めて流れ星というものをここで何回も見ることができました。
いっぱい、お願いできたな。
それは、それは素敵な時間でしたよ。
それから、参加側のダンスショーがあり(これは、疲れたケド)、ディナーにありついて、家族には大うけのディナーショーでした。
このディナーも、アボリジニ伝統のスパイスを使ってあるそうです。
アボリジニーの点描画。モチーフは自然の生きとし生けるもの。
自然と融合する、こんなに素晴らしい文化を継承しているアボリジニですが、その後、私たちは、アボリジニーの現代の問題にも実際に遭遇することになりました。
ある日、私がその晩の晩酌用のお酒とおつまみを買おうと、近所にあるリカーショップへ寄ろうとした時です(家族連れで)。
店の前に、あれ、ちょっとアボリジニーに似ている肌の色がやや浅黒い男の人たちがいる!。似たようななりの人たちが、5、6人いたでしょうか。フラフラと歩いているというか、立っているというか、たむろっていました。
近づいてみると、会話もはっきりせず、おそらく、お酒に酔っているのか、ドラッグ中毒になっているのか、みんなそんな感じの様子でした。
ちょっとどうしたものかと思いましたが、いきなり暴力的になるとも思えなかったので、子どもとともにスタスタとお店に入りました。ただ、彼らはクダをまいているだけでしたので、危害は及びませんでした。
後で、私たちが借りたお家のオーナー夫婦を夕食に招待したときに、この時のことをお話ししたら、オーストラリア政府から支援金がでているんだけれども、それをお酒に使ってしまう人も多いとのこと。植民地からの虐げられた歴史が歴史だけに、なんとも言えない出来事でした。
どうも後から調べると、アボリジニーをはじめ先住民たちのアルコール依存症は社会問題になっているとのこと。また、平均寿命も17年も短く、死亡率は白人よりも2倍高いとか。植民地時代から現代にいたるまで、アボリジニーの子どもたちの同化政策もあり、アボリジニーの家族から子どもたちを隔離し、白人家庭や施設で「教育」するということも行われたとか。土地も、財産も、文化も奪われ、1967年にやっと市民権が、1993年には先住民権が認めらられた民族。かつては、250以上の言語と、700以上の部族がいた民族。
誇り高きアボリジニー。
自分たちの文化とアイデンティティを世界に発信し、ジャプカイ・カルチャー・パークのように自分たちの誇りをキャッシュに変えて、自分たちの社会へ還元してほしいな、と思いました。
でも、ジャプカイ・カルチャー・パークのオーナーは誰なんだろう。
と思って、調べてみたら、どうもIndigenous Business Australiaという政府機関が、運営しているようです。この組織、最終的には先住民に移管するよう支援しているらしい。
そして、どうも、1998年にジャプカイの子孫で、このカルチュラルパークの店舗スタッフからキャリアを始めたシャーリーさん(女性)が社長の役を任せられた、という記事を発見しました。
このカルチュラル・パークの従業員のうち約70%にあたる63人がアボリジニーのスタッフを雇用されている(2018年データ)そうです。また、2016-17年には、このパークを通じて、雇用やロイヤルティ、コミッション等を通し、現地のジャプカイのコミュニニティに、430万ドル(4.7億円)供与されたそうです。ちゃんと現地の人たちに還元されているみたいですね。
ぜひとも、この文化村の主催しているツアーにご参加ください!